神童子谷


【温浴部長・高橋の歩く 天川村】
紀伊半島の源流 神童子谷を歩く



天川村は奥深い。
全面積の97%が山林、2%が平地、残りの1%が天の川。
それでも天の川へ流れ込む数々の谷には、天川村の人でも行ったことがない場所がたくさんある。

今回はその中の一つ、神童子谷に向かった。



天の川温泉から車で約40分、神童子谷林道で車を停めて谷へ降りる。
林道から木々の間に神童子の川が見える。透き通る川の水は、天川村の人でもため息を漏らすほど。
谷までの道は、川沿いもところどころ壊れているが歩道も整備され人の手がかけられている。
整備された道が終わると、あとはゴーロ(大きな岩がゴロゴロと堆積したところのこと)をひたすら歩くことになる。
神童子谷は、手つかずの自然であることは間違いない。
ゴーロの真ん中に大きな岩を根っこで抱きかかえた大きな木がところどころに現れる。
水と安定の地を求めて、根は八方に広がり、木の生命とその意志が伝わってくる。

最初に現れるスポットは「へっついさん」(おくどさんなど様々な呼び方があるが竈(かまど)という意味)。



最近は雨も少なく、森の木々が水をたくさん吸い上げる時期でもあるため普段より数十センチほど水位が下がっていた。
なるほど、へっついさんとはよく言ったもので火を起こして、大きな鍋を載せれば料理ができそうな谷である。

二つ目は「赤鍋滝」。最初の大きな淵でもある。



落差5mの緩やかな傾斜の滝からこのあとに続く巻き道(通行困難な岩場などを避けるために付けられた迂回路)
での恐怖と疲労感は想像できない。
「赤鍋滝」を巻き終わったところで釣り人を発見。 多少濡れても(川の水は非常に冷たいが)滝を上るという選択肢もあるようだ。
この点、キャニオリングというアクティビティはこの谷を楽しむうえでは最良かもしれない。
次第にゴーロの岩も大きくなってきたところで、石垣が現れる。
百年も前、ここに製材所(木をのこぎりで挽いて板や角材にする工場)があったらしい。
水車で動力を得てこの山の木を製材し、神童子谷に沿ってトロッコが運搬していたらしい。
石垣には水車からの水を川に戻すためであろう水路も残っていた。

次に現れる「釜滝」は、もっとも有名なところ。





神童子谷の奥は二つに分かれていて、左の滝は犬取谷から、右の滝はノウナシ谷からの流れとなる。
「釜滝」の名前の由来は、ノウナシ側の滝の上部が釜状に大きな穴が開いているから。
「釜滝」を右岸から巻いて上ると大きく平らな場所が広がっている。
ここはテントを張る場所としてよく使われている場所。
一番広いところには焚き火の後や、登山途中の人の荷物が一部置いてあった。
ここからノウナシ谷では岩も角ばった岩が多くなってくる。

周りの森林の樹種はもみじが多い。秋になるとこの谷の広葉は見事なものになるであろう。
しかし、ディアライン(シカによって作られる植生上の線)がとても気になる。
シカは植物なら何でも食べるが、それはシカの背丈の届く範囲となる。
地表面に稚樹がほとんどないのは次の世代が育っていない。

釜滝をからしばらく歩くと名前のない滝が一つ現れる。



ここまでの滝の中でも一番素敵な滝だと感じた。
360℃の豊かな緑と可憐な滝と透き通る水はしばらく時間を忘れて楽しむことができた。

実は、当日はこの後の予定が詰まっていたため昼前であったがここで引き返すこととなった。
途中、釜滝のテント場付近で木こり飯をいただき、帰路に就いた。
この神童子では、すでにキャニオリングが行われていて釜滝までのコースとなっている。
赤鍋滝などは濡れていかないと見ることができない景色もあるため、
この神童子の滝を最初に楽しむのであればキャニオリングがおすすめ。
奥の紅葉も含め、その先の登山をする場合でも景色は十分楽しめる。
ただ奥山に入ることになるため、クマなどの動物との遭遇も十分考えられる場所なので、
初心者だけではいかず経験豊かなガイドや地元の方と安全に十分注意していく必要がある。










神童子谷




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